Doctor’s FAQ – Adult

先生、教えて!

専門医の先生が患者さんからよく受ける質問について答えるコーナーです。

A.
次のような症状があれば、発作治療薬(短時間作用性吸入β2刺激薬(SABA))を吸入し、速やかに医療機関(救急外来)を受診しましょう。・呼吸困難のため、横になれない
・かろうじて歩ける
・会話が困難
・呼吸困難のために夜中に何度か目を覚ます
・ぜん鳴がはっきり聞こえる


ご自宅に発作治療薬がない場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

我慢しすぎると重大な結果になることがありますので、早めに受診するという心構えが大切です。

A.
社内の部署が変わった、入社、転勤、昇進、人間関係などでも体調に影響を与えます。日ごろから喘息の状態を良好に保つことが大切です。どんな時に発作が起こったのか、いつもと違うことはなかったか、薬を服用していたか、などを記録しておきましょう。自分の喘息発作の原因になるものを確認し、職場の環境を整えておくことが重要です。例えば、エアコンの位置にも気を付けておきましょう。

また、過労やストレスが重なると症状がでてくることもありますので、体調管理もしっかりと行いましょう。

A.
旅行先・宿泊先の環境や天候によって、喘息発作がおきることがあります。宿泊先のダニやカビ、ほこり、エアコン、タバコ・花火・バーベキューなどの煙、温泉の硫黄などの刺激臭が喘息発作の原因になる場合があるので注意が必要です。 発作が起きてしまった時のために、発作治療薬を忘れずに準備するほか、いざという時のために旅行先の医療機関を調べておきましょう。

海外旅行に行く場合には、時差や現地との温度差、長時間のフライトなどで体調を崩してしまうこともありますので、長期管理薬や発作治療薬を日数より多めに持ってゆきましょう。また飛行機内では乾燥に気をつけ、こまめに水分を取ることをおすすめします。まずは、かかりつけの医師と事前によく相談することが大切です。

A.
喘息発作は天気の変化に影響を受けやすく、特に台風が近づいている時や、寒冷前線が通過する時などにも多くなります。その要因は、これらによってもたらされる気温、湿度、気圧の変化や、ダニ・カビ・花粉などのアレルゲン量の変化、大気汚染物質の変化などがあげられます。また、前日と比較して3℃以上の気温低下で発作が起きやすいともいわれています。

気象の変化の影響を避けることは難しいですが、気象の変化による喘息の状態を予測して、服装を調整したり、マスクを着用するなど予防を心がけましょう。

A.
花粉症は鼻の炎症です。鼻炎が発症する「上気道」と喘息症状が発症する「下気道」は一続きの気道で繋がっているため、鼻炎を併発することで喘息が悪化することがあります。また花粉症により口呼吸になることや、花粉表面の微粒子状のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を吸い込むことも、喘息の悪化原因の1つではないかと考えられています。

花粉症は直接に生命への危険がない疾患であることから、喘息の患者さんが花粉症の症状をもっていたとしても、医師に訴えることが少ないようです。

花粉症の治療を行うことで、喘息症状の改善も期待できますので、アレルゲンと接触しないだけでなく、積極的に治療を行うことが大切です。

花粉については、スギやヒノキの他にも、カモガヤ、ブタクサなどさまざまな種類があり、飛散する季節も異なりますので注意しましょう。


A.
喘息の発作がおきたら、効果がすぐに出る発作治療薬を使って発作をしずめることが最優先となります。
喘息の発作治療薬としてよく用いられるのは、気管支を広げる短時間作用性吸入β2刺激薬(SABA)です。
それでも症状が改善しなかったり、苦しくて横になれないほど重度の発作の場合は救急外来を受診しましょう。また、発作時に適切な対応がとれるように、あらかじめ医師と相談しておくことが大切です

A.
喘息は気道の炎症が慢性的に続く疾患のため、治療は長期間にわたることが多い疾患です。しかし、喘息は早くきちんと治療することにより、普通の生活ができる疾患でもあります。大事なポイントは喘息の原因となっている気道の炎症がなくなるまでしっかり治療することです。炎症を抑え、敏感になってしまった気道を健康な人と同じ状態にもどすには時間がかかります。
症状がなくなったからといって、自分で判断して治療をやめたり、減量したりすると、せっかく良くなっていた気道の炎症が悪化し、治療が振り出しに戻ってしまいます。症状がなくなっても、医師と相談しながら継続して治療を行い、喘息の症状を上手にコントロールし続けることが大切です。医師と最適な治療について相談しましょう。

A.

喘息の発作がおさまっても、気道に炎症が残っていて、再び発作を起こす可能性があります。一番してはいけないことは、発作が起きないから、症状がなくなったからといって、自己判断で薬をやめてしまうことです。せっかく良くなっていた気道の炎症が悪化に向かい、大きな発作につながることがあります。

喘息の治療は、患者さんの重症度を判定して方針を決定します。喘息の重症度は、喘息の症状が一定期間にどの程度の強度や頻度で起こるかによって判定され、重症度に対応した薬の種類や分量が決定されます。 もし、一定の期間症状がなくなれば、“ステップダウン”といって薬の量や種類を減らしていくことができます。ただし、それには3ヵ月~6ヵ月間様子を見ることが必要です。
逆に、治療をしているのに、まだいくつかの症状が残っている場合には“ステップアップ”と言って、薬の量を増やすなど、治療を強化する必要があります。

まずは医師と相談しながら、薬による治療を続けて、症状がでない状態を継続させることを目指しましょう。

A.
喘息発作は、慢性的な炎症をおこしている気道への刺激によって誘発される気道収縮によって起こります。発作の原因は様々でダニ、カビ、ハウスダスト、ペットの毛などに対するアレルギー反応が原因で起こる場合や、カゼなどの感染症、大気汚染、タバコの煙、運動やストレスなどが発作のきっかけになることもあります。喘息発作の原因を知り、それを応じた対策をとることが重要です。医師によく相談し、確認しておきましょう。

A.

鼻炎が発症する「上気道」と、喘息症状が発症する「下気道」は、一続きの同じ気道で繋がっていて、同じアレルギー性の炎症が根底に存在します。このため、喘息と鼻炎の症状は異なりますが、合併率は高く、鼻炎合併している喘息患者さんは、鼻炎症状をきちんとおさえられないと、喘息症状も悪化する可能性があります。

鼻炎を併発する喘息の治療においては、喘息だけでなく鼻炎もあわせて治療することでより良い喘息コントロールが期待できます。医師と相談して、喘息と鼻炎を総合的に治療するようにしましょう。

A.

発作の原因は様々でダニ、カビ、ハウスダスト、ペットの毛などに対するアレルギー反応が原因の場合、生活環境を整えることにより喘息コントロールの改善が期待できます。

家の中からアレルゲンを取り除くよう、掃除、洗濯、ふとんの手入れをしっかり行うとともに、空気の循環が良くなるよう家具の配置に気を使うなど、環境整備を心がけましょう。

そのほかにも、規則正しい生活、バランスの良い食事、十分な睡眠、無理のない範囲での運動を心がけるとともに、風邪やインフルエンザなどの感染症にかからないよう、うがい、手洗い、マスク、予防接種などの心がけも大切です。

監修:
広島アレルギー呼吸器クリニック
保澤 総一郎 先生

子どものぜんそくはこちら
PC版はこちら